君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「いや、そういうの期待して見てるわけじゃないから。ただ、幸せな光景だなって思って」
「え……? 幸せな光景、ですか?」
「そう」
目尻をわずかに下げ、優し気な表情を見せた公宏さんは、キッチンに立つ私をやっぱり飽きずに眺める。
その続きの話を持ち掛けようと思ったけれど、そんなタイミングで炊飯器がご飯が炊けたことを知らせた。
帰宅後すぐにキッチンに入って、一時間もしないうちに食卓の準備が整った。
鶏の照り焼きは美味しそうな色に焼き上がりほっと一安心。
他には根菜の温野菜サラダ、タコと玉ねぎのマリネ、お味噌汁は高野豆腐と青菜にした。
作って並べてみると思いっきり庶民的な食卓になってしまい、失敗したかもと思ってしまう。
考えてみれば、これがここに住み始めて初めてのふたりで囲む食卓。
お祝いとまでいかなくても、もっと時間をかけて特別感のあるメニューにすればよかったのかもしれないなんてことが頭をよぎる。