君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「最高に美味しかった。ごちそうさまでした」
「お粗末様でした。良かったです、そう言ってもらえて」
「やっぱり、いいもんだな」
「……?」
どこかしみじみとした口調で言う正面の公宏さんを、箸を止めじっと見つめる。
私の視線を感じた公宏さんは、食事を終えた食器から私に視線を上げた。
「幼少期に両親を亡くしてから、施設で生活してたんだ、十八になるまで」
え……施設に……。
「そう、だったんですね。私、てっきり親戚とか、親族のところでと勝手に思い込んでいました」
「引き取ってくれるような人間もいなかったんだろうな。まぁ、俺は気づいたら施設で生活してたから、特に疑問も感じなかったけど」
なんともなさそうに公宏さんは言うけれど、いろいろなことがわかる歳になったとき、きっと自分の境遇を周囲と比べたりしたはずだ。
私も父親は早くに亡くなり、親が母親しかいないことを気にした時代があった。