君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~


「あ、あの、その治療、このかわうその頭にもやっているフリでいいのでしてもらえませんか?」


 口の横に手を添え、久世先生にだけ聞こえる小声でお願いをする。

 引かれているだろうから、相手の表情は敢えて見ない。


「〝風〟でいいので、お願いします」

「あ、ああ……」


 もう押し切る形でお願いし、かわちゃんになりきる。


「みみちゃん、見て見て! かわちゃん、今からやってもらうからねー」


 久世先生に向けてかわちゃんの頭を差し出す。

 すると、お願いした通り話を合わせてかわちゃんの頭に治療の器材を近づけた。

「はい、おしまい」と、久世先生が終わりの合図を出してくれる。


「みみちゃん、ほら、大丈夫! ボクにもできたから、みみちゃんも頑張ろう!」


 治療を拒否するみみちゃんに、パペットを使って必死の説得。

 すると、みみちゃんは歪めていた顔を真顔にし、「うん、わかった。頑張る」と言ってくれた。


 良かった……。

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