君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~


「忘れ物、ですよね? ぬいぐるみの」

「あ、はい。すみません」

「今、確認したら、先生が拾っていたみたいなんですよ。それで、受付に預けるつもりで持っていたみたいなんですけど、ちょっと緊急のオペに入ってしまって。もう少しで出てくるみたいなので、申し訳ないですけどこの辺で少しお待ちいただけますか?」

「そうなんですか……わかりました」


 受け取る気満々で来たのに、どうやらまだかわちゃんには会えないらしい。


 先生って、あのさっきの久世先生って人だよね? できれば今の看護師さんから受け取りたかったな……。


 そんなことを思いながら、病院内をうろうろとして時間を潰す。

 仕事だろうとプライベートだろうと、私は男性と接するのが大の苦手。

 苦手と言えばまだ聞こえはいいが、恐怖に感じると言ったほうが正しい。

 その原因となったのは、高校二年の夏──それは、じっとりと汗をかく暑い夏日の夕方だった。

 部活で遅くなった学校からの帰り道、私は見知らぬ男に襲われた。

< 25 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop