君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「忘れ物、ですよね? ぬいぐるみの」
「あ、はい。すみません」
「今、確認したら、先生が拾っていたみたいなんですよ。それで、受付に預けるつもりで持っていたみたいなんですけど、ちょっと緊急のオペに入ってしまって。もう少しで出てくるみたいなので、申し訳ないですけどこの辺で少しお待ちいただけますか?」
「そうなんですか……わかりました」
受け取る気満々で来たのに、どうやらまだかわちゃんには会えないらしい。
先生って、あのさっきの久世先生って人だよね? できれば今の看護師さんから受け取りたかったな……。
そんなことを思いながら、病院内をうろうろとして時間を潰す。
仕事だろうとプライベートだろうと、私は男性と接するのが大の苦手。
苦手と言えばまだ聞こえはいいが、恐怖に感じると言ったほうが正しい。
その原因となったのは、高校二年の夏──それは、じっとりと汗をかく暑い夏日の夕方だった。
部活で遅くなった学校からの帰り道、私は見知らぬ男に襲われた。