君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「良かった」
私からの返事を聞いた久世先生の顔に笑みが浮かぶ。
一瞬だったけど、くしゃっと初めて見る笑顔を見せられて、ドキッと鼓動が音を立てた。
そんな表情とセットで「昼食べそびれてて、そろそろ限界」なんて言うものだから、私の心臓は更にドキドキと鳴ってしまう。
「じゃあ、決まりで。すぐに出る支度してくるので、ここの駐車場はわかります?」
「駐車場……あ、仕事で初めて来たときに、車で来たんですけど、あの駐車場ですか?」
「あ、そうです。ここから二階に上がってもらって、コンビニとかカフェテラスを抜けて立体駐車場への出入り口があるので。そこの車寄せまで来ててもらえますか」
「わかりました」
約束を終えると久世先生は「じゃ、後ほど」と話を締める。
診察室をひとり出て、緊張を吐き出すように深く息をついた。
病院に診察に来て、まさかあの久世先生とふたりで食事に行くことになるなんて一ミリも想像しなかった。
やだ、なんか急激に緊張してきた……。
病院の診察室で話すのと、外で改めて話すのではわけが違う。
でも、必要以上に意識するのはお門違いだ。久世先生は診察の延長で私ともう少し話したいと言っているわけだし、普通にしていないと失礼だ。