君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
互いの仕事に関しての会話を繰り広げていると、スタッフが前菜を運んでくる。
グラスにはスパークリングウォーターも注がれていき、久世先生が「食べようか」と言ってくれた。
「はい。いただきます」
普段はあまり食べる機会のないラディッシュやビーツといったカラフルな野菜たちと、海老やホタテが載った前菜はオシャレな絵のように見える。
「でも、驚きました」
食事を始めて一旦会話が途切れ、私のほうから話題を切り出す。
久世先生はナイフとフォークを手にプレートの上に落としていた視線を私に向ける。
「驚いた?」
「はい。自分の受け持つ子を以前診てもらった先生に、自分も診てもらうことになって。その先生が、うちの母のお店の常連さんだと聞いて更にビックリしました」
今さっき世間は狭いなと思ったばかり。
母も私がケガをして搬送された先で久世先生に診てもらっていたことに、あの日驚いたとさっき話していた。
「それは俺も同じ。都築さんを診ることになったときあれ?って思ったし、家族で聡子さんが来たときには更に驚いた」
私だけでなく、久世先生も同様に驚いたようだ。
「都築さんのことは、お店に行ったときに聡子さんから聞いていたから。娘は幼稚園の先生してるんだって」
「そうだったんですね」
「よく聞いてたよ、いろんな話」