早く忘れたい話
だがあなたの視線は私に注いでいなかった。
親しげに話す女性は誰だろうか。

二人は歩き始めた。

客観的にあなたを外で見ると
別の人のようでなぜか少し怖かった。
たぶん髪を靡かせ隣を歩く彼女が
あなたに似合っているから。

ただの仕事仲間だろう。
そうは思っていても体は正直で
彼らの後をついていく。

路地を曲がったところで二人の気配が
消えた。どっかの店に入ったんだろう。

何してるんだろ私は。と鼻で笑う。
< 4 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop