魔法の恋の行方・魔女の媚薬(シリーズ3 グリセラとリーディアン)
<狩猟の館・大広間・14時>
リードとクリスは、思いがけない
提案に困惑した。
「私は女性役もできますよ。
少し背が高いですが・・」
そう言うと
イ―ディス先生は微笑んだ。
しかし、目は笑っていない。
「それではクリス、音楽をお願いします」
クリスを見て促した。
有無を言わせない強い響きだ。
クリスはすぐにピアノに向かい、
ワルツを弾き始めた。
「さぁリード、始めましょう・・」
先生の声が・・
まるで引き寄せるような響きで
耳に入ってくる。
「手を・・」
そう言われて、
リードが手を差し出した。
その手の上にのせられた手は
白くほっそりして・・
ぞっとするほど冷たい。
リードは、先生の背中に片手をあてた。
「ふふ、君はかわいい・・」
先生はリードの耳元でささやき、
腰を密着させてきた。
「え・・?」
まるで、人形のように従ってしまう・・
リードは
先生の群青と金の瞳を見て、感じていた。
妖艶な唇からのささやき、
時折、触れる金の髪
不思議な美しさだ。
怖いと思いながらも、従ってしまう・・
音楽が流れ、ふたりは踊りだした。
リードは、まるで先生に操られているようにみえる。
しかも、先生のダンスは格段にうまく、誰よりも優美だった。
周囲で見ている生徒たちも、
この不思議な光景に、魅入られている。
曲が終わった。
「リード、君はなかなか筋がいい・・それでは失礼」
先生は優雅にお辞儀をして
大広間から出て行った。
誰も動けない、動かない・・
何かが、すべて止まってしまったように。
窓から風が吹き込み、窓枠が音をたてた。
カーテンが揺れる。
それが合図だったように、
皆、動き出した。
リードは椅子に座り込んだ。
あれは・・いったい・・
何だったのか・・・
先生は羽根のように軽やかで、
踊らされてしまった。
クリスがそばに来た。
「グリセラは・・怒られるかな・・イ―ディス先生に・・」
「心配だよ、僕のせいで・・」
リードは不安げに眉をひそめ、
息を吐いた。
リードとクリスは、思いがけない
提案に困惑した。
「私は女性役もできますよ。
少し背が高いですが・・」
そう言うと
イ―ディス先生は微笑んだ。
しかし、目は笑っていない。
「それではクリス、音楽をお願いします」
クリスを見て促した。
有無を言わせない強い響きだ。
クリスはすぐにピアノに向かい、
ワルツを弾き始めた。
「さぁリード、始めましょう・・」
先生の声が・・
まるで引き寄せるような響きで
耳に入ってくる。
「手を・・」
そう言われて、
リードが手を差し出した。
その手の上にのせられた手は
白くほっそりして・・
ぞっとするほど冷たい。
リードは、先生の背中に片手をあてた。
「ふふ、君はかわいい・・」
先生はリードの耳元でささやき、
腰を密着させてきた。
「え・・?」
まるで、人形のように従ってしまう・・
リードは
先生の群青と金の瞳を見て、感じていた。
妖艶な唇からのささやき、
時折、触れる金の髪
不思議な美しさだ。
怖いと思いながらも、従ってしまう・・
音楽が流れ、ふたりは踊りだした。
リードは、まるで先生に操られているようにみえる。
しかも、先生のダンスは格段にうまく、誰よりも優美だった。
周囲で見ている生徒たちも、
この不思議な光景に、魅入られている。
曲が終わった。
「リード、君はなかなか筋がいい・・それでは失礼」
先生は優雅にお辞儀をして
大広間から出て行った。
誰も動けない、動かない・・
何かが、すべて止まってしまったように。
窓から風が吹き込み、窓枠が音をたてた。
カーテンが揺れる。
それが合図だったように、
皆、動き出した。
リードは椅子に座り込んだ。
あれは・・いったい・・
何だったのか・・・
先生は羽根のように軽やかで、
踊らされてしまった。
クリスがそばに来た。
「グリセラは・・怒られるかな・・イ―ディス先生に・・」
「心配だよ、僕のせいで・・」
リードは不安げに眉をひそめ、
息を吐いた。