魔法の恋の行方・魔女の媚薬(シリーズ3 グリセラとリーディアン)
<狩猟の館・庭・12時15分>

イ―ディス先生は、グリセラに怒りのこもった声で言い放った。

「覚えておきなさい!
お前の軽はずみな行動が、とんでもない結果を引き起こす事を!」

うつむいているグリセラの肩が
まだ震えている。
それを見ながら先生は続けた。

「グリセラ、夕方には出発する。
準備をしなさい!」

それから、先生はリードを見て微笑んだ。
まるで、獲物を見つけていたぶる
猫のように、口角があがった。
「そうだ、リード、君の婚約者の話を聞きましたよ。
学校を卒業したら結婚するそうだね。先におめでとうを言っておきましょう」

先生は言い終わると、グリセラに
その視線を向けた。
グリセラはうつむき、そのあごから涙が落ちていた。
声をださないように、歯をくいしばっている。

先生はその様子を確認し、満足げに言った。
「それでは失礼する。
グリセラ、来なさい」

イ―ディス先生が先に歩き始め、
その後をグリセラがついていく。

まるで、処刑場に引き立てられるように・・・
明日は来ない・・未来と夢を断ち切られたように・・

リードとクリスは、その場に
なすすべもなく、立ちすくんでいた。

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