ねえ、気づいてよ……
「どういうこと?」


「んーん。ねえ、大好きって言ってよ」


突然のお願いに驚く。


「......大好き」


私の顔、絶対赤い。


「ん、やっぱり本物からの方がいいな」


「どういうこと?」


さっきから不思議なこと、多すぎるよ。


「俺も大好きってこと」


怜、なんか甘いよ......。


「涼音ちゃーん、よく眠れた?って、怜!」


怜のお母さんが来て、怜を抱きしめた。


「よかった、よかった......」


握っていた怜の手を離して、怜のお父さんに言う。


「じゃあ、あとは家族でゆっくりしてください」


「涼音ちゃん、君はもう家族みたいなものだから、いいんだよ。無理して出てかなくて。
むしろ、いてくれた方が怜も安心だろう」


そんなこと言われたら、出ていけないや。
< 261 / 272 >

この作品をシェア

pagetop