婚約破棄をして乗り換えた元彼と妹と私の幸せ【現代、短編】
「でも、柚芽だって、いつも私のことを、酷い酷いっていうでしょ」
柚芽は本当に無自覚。だけれど、その行動で友達は逃げていく。
クラスの女子に嫌われる。どうしてと泣いて男子がかばう。そしてさらに女子に嫌われる。
友達が欲しい寂しいと言っていても、無自覚だから治らない。
会社に入っても同じようなことが繰り返され、3度会社を辞めている。
無自覚だから許してやれって、誰が言える?
「そ、それは……本気じゃないもん。怒ったときについ口から出ちゃうだけで……柚芽は本当にお姉ちゃんを酷いなんて思ってないし、お姉ちゃん大好きだし。嫌われたくないし……」
調子のいいことを言ってご機嫌を取ろうとしているわけでもない。
嘘じゃないのは知ってる。
だからって、何もかも許せるわけじゃない。
でも、どうしても許せないようなことをされてもいない。
時々距離を置きたくなる。でも、世界に1人だけの妹だ。
私のことを好きだと言ってくれる家族だ。
耐えられなくなったら、家を出ればいい。
★
「何、これ……」
朝起きてみたら、台所がすごい状態になっていた。
酷い散らかりようだ。
「えへへ、見て、ケーキ作ったの。エリックさんにあげようと思って」
ま、た、手作りお菓子のプレゼントか。
相手が甘いもの好きか嫌いかもわからない、アレルギーがあるかないかも分からないのに……。
「エリックさん喜んでくれるかなぁ。これ渡して、お姉ちゃんをよろしくお願いしますって言うの変かな?」
「……柚芽、台所、ちゃんと片付けてよ」
ぎろりとにらみつける。
「う、うん、でも、まだ出かける準備もしなくちゃいけないし、ケーキをラッピングしないといけないから、後で」
後でじゃないよ、後でじゃ!
時間が経てば溶けたチョコは固まって洗いにくくなるし、粉もパキパキにこべりついて落としにくくなる。
柚芽は本当に無自覚。だけれど、その行動で友達は逃げていく。
クラスの女子に嫌われる。どうしてと泣いて男子がかばう。そしてさらに女子に嫌われる。
友達が欲しい寂しいと言っていても、無自覚だから治らない。
会社に入っても同じようなことが繰り返され、3度会社を辞めている。
無自覚だから許してやれって、誰が言える?
「そ、それは……本気じゃないもん。怒ったときについ口から出ちゃうだけで……柚芽は本当にお姉ちゃんを酷いなんて思ってないし、お姉ちゃん大好きだし。嫌われたくないし……」
調子のいいことを言ってご機嫌を取ろうとしているわけでもない。
嘘じゃないのは知ってる。
だからって、何もかも許せるわけじゃない。
でも、どうしても許せないようなことをされてもいない。
時々距離を置きたくなる。でも、世界に1人だけの妹だ。
私のことを好きだと言ってくれる家族だ。
耐えられなくなったら、家を出ればいい。
★
「何、これ……」
朝起きてみたら、台所がすごい状態になっていた。
酷い散らかりようだ。
「えへへ、見て、ケーキ作ったの。エリックさんにあげようと思って」
ま、た、手作りお菓子のプレゼントか。
相手が甘いもの好きか嫌いかもわからない、アレルギーがあるかないかも分からないのに……。
「エリックさん喜んでくれるかなぁ。これ渡して、お姉ちゃんをよろしくお願いしますって言うの変かな?」
「……柚芽、台所、ちゃんと片付けてよ」
ぎろりとにらみつける。
「う、うん、でも、まだ出かける準備もしなくちゃいけないし、ケーキをラッピングしないといけないから、後で」
後でじゃないよ、後でじゃ!
時間が経てば溶けたチョコは固まって洗いにくくなるし、粉もパキパキにこべりついて落としにくくなる。