婚約破棄をして乗り換えた元彼と妹と私の幸せ【現代、短編】
女性の持つ鞄としては、普通の値段なのか。
「でも、柚芽は、き、嫌われたく、ない、よ……」
ぐずぐずと泣き出した柚芽に、周りの人の目が集まる。
◆姉★
「お姉ちゃん、鞄貸してあげる」
柚芽が有名なブランドの鞄を私に差し出した。
「え?これ、10万以上する鞄でしょ?どうしたの?」
柚芽は24歳。社会人といっていいかどうか微妙な立場だ。就職しても、「みんなに虐められるの。私は何も悪くないのに、無視されたり、きついこと言われたり……ぐすん、ぐすん」と仕事をやめること3回。
同じ職場で長く働くことができないと、短期の派遣の仕事をしている。そのため、安定した収入もなければ、貯金もろくにないはずなのに。
「えへ、あのね、プレゼントしてもらったの」
プレゼント?
「あの、あ、えっと……だ、誰からもらったかは秘密」
急に柚芽の様子が挙動不審になる。
「でも、お姉ちゃんも、こういう鞄好きでしょ?この間、柚芽に鞄を貸してくれたから、今度は柚芽が貸してあげるね!」
ああそう。
さすがに、私の元カレからもらったとは言いにくかったんだ。
……私、あの人からこんな高いものプレゼントなんてされたことないけどなぁ。
婚約破棄と言っていたあの人。仮にも婚約者だと思っていたのに、指輪はもらったことないし、まぁもらってなくてよかったけど。それ以外にも、思い出す限り……何かもらった記憶はない。
私は愛されてるんだ、こんな高いものプレゼントしてもらえるんだもんって、自慢なのかな。
……意図的にやっているわけではないのが怖い。
純粋に愛されてる自慢……いやちがうな。愛されてるというのを確認したいだけだ。
きっと、人にこれ、彼氏に買ってもらったんだと言えば「えーすごーいいいなぁ、愛されてるじゃん」と、愛されていることを人の口から確認できるんだろう。
「でも、柚芽は、き、嫌われたく、ない、よ……」
ぐずぐずと泣き出した柚芽に、周りの人の目が集まる。
◆姉★
「お姉ちゃん、鞄貸してあげる」
柚芽が有名なブランドの鞄を私に差し出した。
「え?これ、10万以上する鞄でしょ?どうしたの?」
柚芽は24歳。社会人といっていいかどうか微妙な立場だ。就職しても、「みんなに虐められるの。私は何も悪くないのに、無視されたり、きついこと言われたり……ぐすん、ぐすん」と仕事をやめること3回。
同じ職場で長く働くことができないと、短期の派遣の仕事をしている。そのため、安定した収入もなければ、貯金もろくにないはずなのに。
「えへ、あのね、プレゼントしてもらったの」
プレゼント?
「あの、あ、えっと……だ、誰からもらったかは秘密」
急に柚芽の様子が挙動不審になる。
「でも、お姉ちゃんも、こういう鞄好きでしょ?この間、柚芽に鞄を貸してくれたから、今度は柚芽が貸してあげるね!」
ああそう。
さすがに、私の元カレからもらったとは言いにくかったんだ。
……私、あの人からこんな高いものプレゼントなんてされたことないけどなぁ。
婚約破棄と言っていたあの人。仮にも婚約者だと思っていたのに、指輪はもらったことないし、まぁもらってなくてよかったけど。それ以外にも、思い出す限り……何かもらった記憶はない。
私は愛されてるんだ、こんな高いものプレゼントしてもらえるんだもんって、自慢なのかな。
……意図的にやっているわけではないのが怖い。
純粋に愛されてる自慢……いやちがうな。愛されてるというのを確認したいだけだ。
きっと、人にこれ、彼氏に買ってもらったんだと言えば「えーすごーいいいなぁ、愛されてるじゃん」と、愛されていることを人の口から確認できるんだろう。