強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】


***



天窓が特徴的なチャペルでの挙式とフラワーシャワーを終えてからの披露宴。

胸元に繊細な刺繍のあるプリンセスラインの純白のウェディングドレスはみっちゃんの雰囲気にとても良く合っていて、とても綺麗だった。

プリンセスラインのウェディングドレス、憧れるけど私にはきっと似合わないなぁ。

私が着るならマーメイドラインかなぁ。

…着る予定どころか彼氏すらいませんけど。

果たして私がウェディングドレスを着れる日は来るんだろうか…

新郎側の上司の祝辞を聞きながらそんなことを考えていたら、いよいよ部長の祝辞の番になった。

「ただいまご紹介に与りました、新婦田口さんの職場の上司の宇野 藤吾と申します」

凛と響くハスキーボイス。

まだ自己紹介しただけなのに、たったそれだけで周りの空気が変わった気がした。

見た目はもちろん、内面から溢れる圧倒的な魅力で今、会場中の視線を集めている。

始まったスピーチも、素晴らしかった。

さすが、これまで数々の企画を勝ち取ってきたプレゼン力は伊達じゃない。

話し方も、文章の組み立て方も完璧で、所々笑いを交えながらのスピーチにグイグイ引き込まれた。
< 85 / 158 >

この作品をシェア

pagetop