私の知らない恋の話。
「……せ、んぱい」



なぎと、誰かの密会現場に遭遇してしまった。



「久々。連絡返してくれないから心配したんだけど」



どちらかと言うと、なぎがここに引きずられて来てたんだけど。


離れよう、って思ったけど、なんか。
なぎがいつもと違う雰囲気で、出て行く、なんて選択肢はなかった。


「……先輩のこと、ブロックしてたのでそりゃ」
「ふぅん、なんだ。この学校来たの、俺について来たのかと思ってた」
「先輩、いつも頭の中お花畑ですよね」



いつも通りのきつい口調なのに、声が震えてて、相手を見るなぎの顔がビビってる、って言うか……。


「単刀直入に言うけど、やり直したいんだけど」
「……脈絡どうなってるんですか」


……元カレ、か。
俺は壁にもたれて遠いところから2人の声だけを聞いている。
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