となりの紀田くん



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今はお昼休み






「不知火 昴ってさ…………」






私の話を聞き終わるなり
梓くんと鈴二人して
顔を見合わせる






「二人とも知ってるの?」






「知ってるも何も…………なぁ?」






「ねぇ?」






二人で確認しあうように
話す素振りに若干の
苛立ちを覚える





不知火 昴って
一体だれなの?






「とにかく、不知火 昴は紀田くんの知り合いで…………彼の言ってる事は全部嘘だから………」






急に真顔になって
話す鈴に





ゴクリと息を飲む






嘘?






それなら紀田が
恋人っていうのが本当?






「そっか、なら良かった!!」






「でも………気をつけて。不知火 昴には。」






鈴が真顔で私に
そう告げた瞬間






チャイムが鳴り響く。







気をつけてって
どういう意味だろう?







そんなことを思いながら
鈴たちと別れ






自分のクラスへと戻った。





ーーーーーーーーーー






「ゆあー!」




午後の授業が終わるなり
私に飛びついてくる瑠威





「わっ!………もうっ、瑠威!」





「えへへ…………ゆあ好きー!」





こんな教室のど真ん中で
堂々と告白をしてくる瑠威には
もう溜め息しか出てこない。





まわりのみんなは
最初こそ驚いていたものの
慣れてしまったのか





「ははっ、桜庭また告白してるよー」





「キィイイイイイッ!ムカつく!いっつもいっつも内倉ばかり!」





近頃はこんな
反応しかしてこない。





そもそも瑠威って
こんな性格だった?





「瑠威やめて、離して」





「やーだ」





いや…………離れてくれよ。
非常に歩きにくいんだが…………






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「ねえ、瑠威。本当、離れて」





四六時中付きまとわれてるせいか
ちょっぴりうんざりしてくる。





「やだね!」





もうダメだこいつ。





「さぁーくらぁーばくんっ」






学校の帰宅路を
瑠威と一緒に歩いていると
突然後ろから殺意のこもった
やたーら低い声が聞こえてきた。






振り返ると案の定
紀田が後ろにいて
瑠威に笑顔を向けている





いや、目が笑ってないですけど!
とても怖い顔してますけど!





「おや、誰かと思ったら………ゆあの"友達"の紀田くんじゃないか」






そんな紀田に対抗するように
"友達"という言葉を強調して
黒い笑顔を向けている瑠威。






なぜ、この二人は
こうも仲が悪いわけ!?
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