となりの紀田くん
しばらく屋上で
ボーッとしながら
瑠威の去って行った
扉をじっと見つめていた………
ポツッ…………
と頬に何かが落ちる。
雨?
私は降りだした雨に
我に返って屋上を出た。
ーーーーーーーーーーー
一人とぼとぼと
廊下を歩く…………
あれが瑠威の本音?
わからない………
私の気持ちは?
私の………………
それを考えようとして
ふと鮮明に蘇る記憶。
井形さんと瑠威のキス。
はだけた服から嫌でも
想像できるソレに
一瞬にして胸が苦しくなる。
なんだ……………私。
瑠威が好きなんじゃん。
今更、気づいたって
もう遅くて………
私は瑠威を傷つけた。
"早く記憶戻して、紀田のモノになっちまえよ"
彼はこの言葉を
一体どんな思いで
言ったのだろう?
次第に激しさを増してゆく雨。
ピカッ
ドンッ
微かにだけど
雷の音も聞こえる。
早く戻らなきゃ!!
何か凄く嫌な予感がして
戻る足を速めるーーーーー
ピカッ
ドンッ
徐々に近づいて
ピカッ
ドンッ
雷も激しさを増し
音もさっきのに
比べれば鮮明に
聞こえてくるーーーーーー
ピカッ
ドンッ!!!
ーーーーーーーーーーっ!?
プツッーーーーーーーー。
館内の電気が消え
生徒たちの悲鳴や
焦り声が微かに聞こえる。
嫌な予感的中。
私は耳を塞いで
その場にしゃがみ込んだ。
蘇るは忌々しい記憶
恐怖で体が支配され
声を出すことすらできない。
そう…………確かあれは
小学3年生の時だった。