となりの紀田くん
ーーー小学校3年生ーーー
「ゆず兄!ゆあ姉っ!」
「ゆな!」
内倉 結菜(ウチクラ ユナ)
私と柚の最愛の妹。
柚と結菜は双子だったーーー。
「よしよし、ゆな。」
「ゆなだけズルいーっ!オレもっ!」
「ゆずも、よしよし。」
柚も結菜も
私に撫でられ
ご満悦なようだ。
そんな二人を連れての帰り道
私にとって最大のトラウマ
となる闇の事件が起きた。
三人での帰り道
いきなり現れた
男二人が私と結菜を
意図も簡単に抱き上げ
車の中へと入れられる。
口元をハンカチで
押さえられ意識が
薄れゆくなか
車の窓から見えたのは
泣きわめく柚の姿だった。
ーーーーーーーーーー
目覚めればそこは
暗い倉庫の一室。
もちろんつれて
こられた当時は
そこがどこなのかも
何が起きているのかも
全く理解出来ていない。
「ここはどこ?」
すぐ隣から声がして
私は思いきり抱きつく。
「ゆな!ゆな大丈夫?」
「ゆあ姉?私は大丈夫だよ………」
私より年下なのに
私より冷静で
頼れる結菜
これが本当に
さっきまで私に
頭撫でられてた
奴かと疑いたくなるほど
しっかりしていて
でもーーーーーーーー
「…………………ーーーーーーーーいっ!!」
暗闇の中で聞こえた
微かな悲鳴に
思わず体がビクつく。
暗闇で何にも見えない。
だからこそ倍の恐怖が
私を支配する
怖くて怖くて
ただ涙だけが溢れる。
その瞬間バチっと
明かりがついた。
ほんの一部だけ
明かりが灯る
それはライトの明かりで
「お前ライト係りな」
とライトを手渡される。
ライト係り?
何それ?
「お前、可愛いな。でも、まずは泣きもしねえ、可愛くないコイツから」
そういって掴んでいる
妹の手を思いきり引っ張る
ボキッ
「ぎゃあああああっ!!痛い!!痛いよ!!」
鈍い音と共に
離された妹の手が
ダラーんと下がる。
肩が脱臼して
悲鳴をあげる結菜。
私は見ていられなくて
思わずライトを消したーーー