となりの紀田くん



「あっ!!!りんっ、向こうで泳ぎの練習しよ!ほら、行くよ!!」






私は一刻も早くこの場を
去りたくて適当な嘘をつく。






そんな私の気持ちに気づいたのか






「だね!行こっか」





話を合わせてくれる。





私……紀田が好きなこと
鈴にまだ言ってないのに
鈴はいつも気づいてくれる。





ありがとう………





「え…なら俺も……」





「い、いいよ!ほら、なんか久しぶりの再会みたいだし?思う存分話してなよ!ね?」





紀田が来れば
もちろん要さんも
来るだろう……




それじゃあ意味が無くなる





私は紀田にそう言うなり
鈴を連れて遠く離れた
場所に向かった………




ーーーーーーーーー





「はぁ………………」





紀田と要さんから
離れてすぐ、しょんぼりと
肩を落として溜め息をつく。






「ねぇ………ゆあ。」





鈴が真剣な面持ちで
私に話しかける





言いたいことはわかってるよ…
紀田が好きなのかって
聞くんでしょ?





「紀田くんが好きなの?」





ほらね………思ってた通り。
私は小さく頷いた。





「え、それ本当?」




いつの間にか来ていた梓くんが
驚いた顔をしている






「もう、水くさいな!!どうして言ってくれなかったの?」





鈴は驚かずに
悲しそうな顔をする。





「いや、あんだけ犬猿の仲って周りに公言しといて……今さら好きですとか………ね?……ごめんね。」





「まあ……ゆあの気持ちわかるよ。でもさ、しょうがないじゃん……」




「へ?」




鈴の発言に首を傾げる
しょうがないって何が?

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