東京血風録4 ダークサイド・イリュージョン
斜骸丸の刀は、異様であった。
骨が集まって1本の刀を形取っているのだ。薄い月型のものが多かったが、小さな関節の間の様な骨も混じっていた。それらが奇妙に組み合わさり、刀になっているのだった。
片手で構える様も異質に見える。
左脚を前に、力む事無く立っている。
その脚へマイクの右ローキックが襲った。裸足である。
当たる瞬間、爆烈した。
渇いた炸裂音とは裏腹に、左脚が大きく振られて斜骸丸はよろめいた。
その隙を逃さず、マイクの右ボディブロー!爆烈!
叩く度に爆烈する爆砕打は効果があった。くの字でよろめく斜骸丸。
刀身の斜骸丸の切先が消えていた。
ボディブローの際、踏み込んだマイクの左脚、膝の上部に切先が刺さっていた。
痛みは無い。
次の瞬間、マイクは目を見開いた。
自分の太腿に、骨の華が咲いたからだ。
それも内側から!
それと同時に鋭い痛みが走った。
その本数5本。
各々に向きが変わっていた。
マイクは脚を引いて、刀を抜いた。
残った脚で後方へ飛び、距離を取った。
マイクの動きに合わせて、斜骸丸は上へ刀を振った。
太腿から生えた骨たちは、各々の方向へ弾け飛んだ。
ばらっ!と言う感じで太腿が乱切りになった。溢れる鮮血。
すぐ様、爆砕点穴に依る止血を行おうとする。が、その時すでに斜骸丸の刀は、先程の隙間を空けた大剣へと姿を変えて
マイクの頭上へ迫っていた。







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