東京血風録4 ダークサイド・イリュージョン
「いい加減にしろ」
そんな声は斜骸丸の後ろで、した。
無敵丸甲児は、ショルダータックルしていた。
前のめりになった斜骸丸は刀を守るべく、身体を捻る。右手だけは着けない。柄だけは死んでも放さない。執念だった。
上を向いたが、落下する力には抗えなかった。
落下する後頭部には、QQが待ち構えていた。
ずずず。
落下の勢いそのままに、斜骸丸の頭は黒い球体に吸い込まれていった。
頭部が消えると、斜骸丸の身体はどぉと倒れた。

それを見下ろす無敵丸。
動けないマイク。
飛鳥も限界だった。強力な技を長時間使った代償は大きかった。
技を解くと、両腕を広げて大の字になって動けなくなった。

なんて野郎だ。
無敵丸甲児は思った。
本来の目的じゃない相手に、こうも苦戦するとは。
そこへ参戦したこの者達も、相当の手練れだった。それが…。
3人がかりでこの様か…。
不甲斐ない。




伽藍学園校庭。












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