東京血風録4 ダークサイド・イリュージョン
強大な霊力を得た大蛇達は、巨大な顎を開いて襲いかかっていた。

甲児はエルボーで、黒ずくめの男はパンチで左右から迎え撃った。
顎の付け根から破壊する事に成功したのだが、元々護符が集まって出来た大蛇はそのままの勢いで、護符が何枚も飛んできて腕や肩を斬り刻んだ。

剛太の蹴りや斜骸丸の突きも同じ結果で、吹き飛ばした護符によりダメージを負った。

摂津は、掌から炎を噴き出して護符を燃やしていた。カミラは雷撃掌を放つが、護符がそれを弾き返したので、自滅する結果となった。

遥に向かったそれは、途中で勢いをなくし、ただの護符に戻りはらはらと地面に散っていた。

一同動きを止めたその中で、柊一が叫ぶ。
「みんな済まない!キラーズ・コード発動に依り、その黒い覆面の男を斃したい!この校内から出したくない!宜しく頼みます!」
書院院長・鳳竜堂柊一の叫びであった。
みんなとは、無敵丸家の者とカミラに向けてである。一応に頷いていた。


柊一は遥に向かい直る。
「説明が遅くなって申し訳ない。別件で動いていた。私が国家秘匿文書管理局・書院の長なんだ。黙っていて済まない」
遥は頷く。
「真琴さんは?」
柊一は沈んだ顔で。
「何かに巻き込まれたのだろう」と。

柊一は空を見上げた。
耳元で、さよなら、と聞こえた気がした。











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