東京血風録4 ダークサイド・イリュージョン
カミラである。
「我が名誉と尊厳に於いて、使命を全うする。邪魔する者は排除する」
雷撃掌は、鬼の王に通用するのか。
雷撃を孕んだカミラの右手は、摂津秋房の両の手によって包まれていた。
バチバチと放電するが、それはそのままアースの如く脚を伝って地面へ流れた。
地面が爆ぜる。
「面白い技だ」
そう言うと摂津の身体に中に蓄電した電流が集まった。
鬼が蓄えた電流は如何程のものか。
逆流。
身の危険を感じたカミラは腕を引こうとしたが、鬼の握力は外せない。
爆烈する放電は、カミラの内側から焼いた。
逃れる事も出来ず、そのまま焼かれてしまった。

カミラ・シルバーストーン死亡



グラウンド中央、斜骸丸と剛太。
満身創痍の斜骸丸だが、その異様さと威圧感は健在である。
この者は何なのだ?人ならざる者。
止めるに値する。排除する。

儂は伊號丸である。
【遥殿!彼奴に誰も近づけてはなりませぬ!斜骸は危険ですじゃ】
蒼き王道遥は、斜骸丸を一瞥する。
そこへ向かおうとする。

あらぬ事はあらぬ事で起きるものだ。

剛太はフィンを放つ。力無く受けた斜骸丸の身体はくの字に折れる。
頭半分がない斜骸丸の眼は虚ろである。
そのまま倒れた勢いで剛太の脚に絡み付いた。シャカシャカと小さい骨の顎が開き噛みつこうとした。
振り払おうと脚を振る剛太。
骨がベースの斜骸丸は意外と軽いものだった。振り払うと地面に転がった。
剛太の後ろ側へ。
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