東京血風録4 ダークサイド・イリュージョン
向き合った摂津秋房とシン・斜骸丸。
摂津の眼は猫の様な縦長な瞳孔と巨大な肩と伸びた爪があった。
斜骸丸は例の如く骨が集まったこれまた巨大な剣を携えていた。
「鬼だと。叩き斬ってくれるわ」
斜骸丸は片手で剣を構える。

地面に横たわる無敵丸剛太である。
甲児、何とか俺の手で止めてやりたかった。
失った右手部分を左手でしっかり押さえながら思っていた。
何とか加勢できないものか…。

同じく、鳳竜堂柊一である。
力を使い果たした柊一は護符連陣を使えないでいた。
真琴の喪失感は拭えない。
真琴がいてくれればと思う。
願わくば。
この状況を打破さねばならない。
なんとか出来ないものか。
思索する。

鬼である摂津は自分の意思で腕を伸ばす事が出来る。その摂津が距離を詰める。
丸太の様な腕で殴りかかる。
体力は万全ではない。新しい闘い方を模索していた。
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