甘々顔KING総長様と地味顔女子
耳元で言われた単語が頭の中に残る。

とても強烈で、とても・・っ///は、恥ずかしい単語、
だって私の日常にはそんな単語無かった。そういった話なんて自分には無縁だった。
それなのに・・この人達はこんな簡単にその言葉を出せる、
総長様は・・フツーに何事も無かったように表情一つ変えてない。
ああ本当にこの人達にとってはいつもの日常なんだ。
いつもの・・て、えっと待て待て。いつもと同じ
いつもと・・?
って・・それってぇ、
け、
「ケダモノ!」
「っ!」
「は?」
めちゃくちゃ軽蔑の目つきで放った私の言葉に2人は一瞬、怯んだかに見えた。
が、この2人はそんな事では大人しくならない。

「別に亜弥さんから誘ってんじゃねぇし、亜弥さんと寝たい女は山程いるんだからしょうがないだろ!」
「おい、言い方っ、」
「だ、だからってそんな・・」ショックだった。モテるのはわかるよ、わかるけど!
「わざと、そうなる為に仕掛けてくる女も居たから、面倒で。」
えっ?面倒?たったそれだけの理由で?

「私の事もソレで済まそうって・・」私の事も面倒だった?
「だから、お前にはしてねぇだろ!」
だからそれはつまり
「そうですよね、私なんか対象にもならないもんね、」
「は?だからぁ、」
「すいません、私帰ります!失礼いたしました」
「え、あ、おい」
総長様の呼び止めも無視して私は玄関から外へ飛び出した。

エントランスまで走ってきたところで、さくらちゃんらしき声が聞こえた。
あ、帰ってきたんだ。
でも、ごめん、今立ち止まれない、早くここから遠ざかりたい。

私はそのまま家に駆けこんだ。


「まゆ帰ったの?」
奥からお母さんの声がした。
「うん、ただいま」
「ご飯、もうすぐ出来るからね~」
「わかった、着替えてくる」
これが私の日常。

自分の部屋に入ると、Tシャツとショートパンツに着替えてすぐにキッチンへと向かった。
テーブルには野菜炒めとお味噌汁、肉じゃが・・
そして目の前には化粧っ気の全く無いお母さんの顔。
今までの当たり前の・・平凡な日常。
さっきまでの非日常が嘘みたい。
あそこは疲れる。ここは・・落ち着く。
忘れよう。
私には元々、関わってはいけなかった領域。
そもそもあのコンビニでの出会いが間違っていたんだ、やっぱ、あの時、引き返していれば良かった。

ご飯を食べ終わると、洗い物を済ませて自分の部屋へ戻った。
いつもの日常に引き戻されると、いきなり、さっきまでの出来事は夢だったんじゃないかとさえ思えてきた。
もしかして。と思って、神社で買ってもらったお守りを探した。
たしか制服のポケットの中・・
「・・無い。」
スカートのポケットも探したがそれらしいモノはどこにも無かった。

「ああ・・やっぱ夢だったのかも。」
シンデレラの魔法が消えたみたいに私の中での非日常な出来事はあやふやになっていた。
< 14 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop