BLOOD VAMPIRE
目にも止まらぬ速さで
私を拘束すると
鼻を私の首筋に埋めてくる
「いやっ」
「んー。やっぱり!いい香り~!」
ペロッと首筋を舐められて
私は体を震わせた
何なの!?………気持ち悪い
聖くんどうしちゃったの!?
「てめぇ!りりかに触んな!」
明らか怒りモードの日向が
聖くんの体目掛けて拳を上げる
「やめて!!聖くんは雪の彼氏なのよ!!殴ったりしたら雪が悲しむ…」
「でもよ、りりか!!こいつ完全に我を忘れてんぞ!!それに今はりりかの方が大変だ!!」
そう言って振り上げた拳を
思いっきり振り下ろす。
だが聖くんは意図も簡単に
その攻撃を交わし
「雑魚が。俺の邪魔をするな」
ドゴォオオオォン!!
ほんの一瞬のうちに
日向を吹き飛ばす。
「うがぁっ!」
「ひなた!?」
踞ったまま立ち上がらない日向に
もう何が何だか分からない私。
私このまま死んじゃうの?
やだやだやだやだやだ
怖い、怖いよ!!
誰か………誰か助けて……
レイ…………助けて!!!
「だから言ったのに………後悔するって。」
私が願った刹那
どこからともなく
そんな言葉が聞こえた。