BLOOD VAMPIRE



「はぁ………」



「朝から溜め息ついてどうしたの?」



雪が心配そうに
私の顔を覗き込む。


そりゃ溜息つきたくなるわ…



「それはあそこのフランス人に聞いてくれる?」




「あはは…確かレイ君、りりかん家で執事することになったんだっけ」



「シー!!内緒!!そんなこと日向に知られたら…」



「誰に知られたらだって?」



私と雪の後ろから
足音と声が聞こえてきて
振り返ると日向が
鬼の形相で立っていた。



「いまの話、ちゃんと説明しろよ」



「いやー、かくかくしかじかで………………………はい。」



目が笑ってない
にこやかな笑顔で



「放課後に話聞くから教室に残ってて」



そう言うと
そそくさと自分の席へ
戻っていった。



最悪!!



日向は昔から私の側を
絶対離れなくて



何かあるとすぐ
私を心配する。



私がいじめられていた
時だって相手の男子生徒を
ボッコボコにしちゃうし



とにかく日向を
怒らせたら怖い。



昔から喧嘩は強いんだよね。
流石にヴァンパイアには
勝てていなかったけど…笑
< 32 / 151 >

この作品をシェア

pagetop