LOVEDANGER~元ヤン御曹司と悪女OLの身籠り溺愛婚~
「分かってたら、会いに行かねぇだろ」


「だから、それは結婚詐欺で訴えるとか、脅されてたから」


「なんで俺に頼らねぇんだよ」


そう言われ、篤さんに頼るとか、
そんな事を一切考え無かった事を思い出した。


「そりゃあ、お前は自分でなんとかなると思ったから、俺に頼らなかったのだろうけどよ」


その篤さんの言う通りで。


「けど、俺がそうやってそいつと二人で会う事が嫌だって事を本当にお前分かってんなら、
俺にどうしようかと、言うだろうが」


「なんで…」


なんでそこまで、私が近藤龍馬と会う事を、この人は許せないのだろうか?



「惚れてる女が他の男とそうやって会うとか。
ましてや、そいつは元カレとか、
許せねぇに決まってんだろ!」


惚れてる…。


篤さんが、私を?



「篤さん。
私の事、好きなの?」


なんだか信じられない気持ちで、そう訊いてしまう。



「ああ」


そう言って、照れたように私から顔背けた。



私は篤さんにゆっくりと近付き。


そっと、抱き着いた。


「お、おいっ。
辞めろ、こんな所で!」


「この道全然人居ないから、いいじゃない」



今、人通りだけじゃなく、車すらも通っていなくて。


私と篤さんだけ。


「なら、人来たら離れろよ」


そう言って、そんな私をギュッと抱き締めてくれた。


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