LOVEDANGER~元ヤン御曹司と悪女OLの身籠り溺愛婚~
『ってか、本当に今夜どうしよ?
幸い、明日は休みだけど。
野宿は辛いなぁ』


その声は、本当に困っているようで。


「一晩くらい、ネットカフェとかで何とかしろよ」


『S県なめてない?
こっち、そんな物ないし。
夜の20時過ぎたら、この辺りはどの店も閉まって真っ暗だし。
唯一、コンビニは23時迄やってるけど』


S県に住んでるんだ。


S県がどんな所かは知らないけど、
けっこう田舎なんだな。


「コンビニはまだ開いてんだろ?
未央の好きなチョコレートのケーキでも買って、帰って謝れ」


『そうしよっかな?
未央さん、わりと時間経ったら怒ってる事とかすぐに忘れるから』


「後、村上が言ってたけど、お前が内緒で家買って未央の事を驚かそうと思ってた事も、言えよ」


あ、そうなんだ。


それで株とかで。


『それはサプライズにしたかったんだけど。買ってから言おうって。
けど、投資で増やしたお金だし。
だから、未央さん、あんまり喜んでくれないかも』


「んな事ねぇだろ?
そうやってお前が未央の事を思ってるのが分かれば、喜ぶんじゃねぇ?
それに、二人…いや、三人か。
これから家族で住む家なんだから、
未央と二人でその家の事も話し合えよ」


『篤君もね。
梢ちゃんと色々と話し合って』


「ああ。分かった」


『じゃあ、コンビニ着いたから切る』


そう言って、その電話は切れた。


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