LOVEDANGER~元ヤン御曹司と悪女OLの身籠り溺愛婚~
「あの…。
皆さんがご存知のように、私は篤さんと子供が出来たから結婚したんですけど。
でも、私は、昔からずっと篤さんが好きだったんです」


そう私が言うと、周りはしんと静まり、
なんとなく、みんながその先の私の言葉を聞こうとしてくれているのが分かった。



「昔、私が小学5年生の時、クラスの男子にいじめられている所を、篤さんが助けてくれて、それで私は彼を好きになって。
それに、篤さんは捨てられた子猫を拾って帰って可愛がるような人だし。
後、病気で亡くなったお母さんの事も大切にしていて…。
皆さんが思っているような、そんな悪い人じゃないんです。
確かに、ちょっと昔はグレてましたけど…でも…」

そう私が言葉に詰まっていると。


「兄貴…、いや、川邊部長は優しいですよ。
俺が入社して今の部署に入ったばかりの頃。
俺がずっと付き合ってた彼女に振られて落ち込んでたら。
川邊部長、そんな俺を飲みに誘ってくれて、朝迄励ましてくれて。
他にも、俺が体調悪い時とかもすぐに気付いてくれて、心配してくれたり。
あの人、とにかくいい人なんですよ」


篠宮君は、私みたいに立ち上がる事はないが、
そう周りに聞かせるように話す。

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