LOVEDANGER~元ヤン御曹司と悪女OLの身籠り溺愛婚~
あー、今日も彼と話せなかったなぁ。


この会社に入って、一年以上経つけど、
幾度となく思う。


彼に話し掛ける、勇気ときっかけが欲しい。


定時で退社して、最寄り駅に行く迄にある大きな川を跨ぐ鉄橋の上、
鉄柵の欄干に腕を置いて、下の川を見る。


特別綺麗な川ではないのだけど、
その緩やかな流れを見ていると、落ち着く。


にしても、湿度が高いからか頭が痛いな。


雨が降るのかも。


梅雨の今の時期、いつ降ってもおかしくない。


今日も朝から、曇っているし。


雨が降る前に早く帰ろう、そう思い
その川面から視線を反らそうとした時、
目に映ったそれ。


犬?


川を何かの茶色の動物が泳いでいる…。


私は持っていた鞄を地面に置き、その欄干を持つ手に力を入れて。


体を浮かせてさらに欄干の真下辺りのその川面を見る。


あれって…、カピバラ?


なんでカピバラがこんな川で泳いでいるの?


そのカピバラは5匹居て、3匹は子供みたいで。


カピバラのファミリー?


私はさらに下を覗き込むが、
頭を下げているからか、貧血なのか、
意識がちょっとボーとして来てーーー…


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