きらめく星と沈黙の月
陽菜な冷ややかな目の向こう側で、もう一人こちらを冷たい目で見ている人物がいた。


その冷たい目を見てしまった瞬間、心臓が凍りついた気がした。


「べっ別にイチャイチャしてるんじゃないって!」


わざと碧に聞こえる大きさで否定したけど、碧の目の冷たさは消えなかった。


誤解されたくない。


ちょっと顔を覗き込んだだけなんだ。


「碧っ、ドリンク飲む?」


更衣室に入ろうとした碧を慌てて追いかけて、ドリンクを差し出す。


「……大丈夫」


受け取ってもらえなかった。


…気分じゃなかっただけ…だよね…。


第一、私と大雅が話してただけで碧が怒る理由もない。


「…じゃっ、着替え頑張って」


気まずさから抜け出そうと口にした言葉は、意味の分からないものだった。


「ハハハっ!着替え頑張ってってなんだよ。幼稚園児じゃあるまいし、着替えぐらいできるっての」
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