天敵御曹司と今日から子作りはじめます~愛され妊活婚~
「そう、だな。ごめん。ここにいる」
上司にとんでもない迷惑をかけているのは承知している。
しかし体の震えが止まらず、とてもひとりでいられる状態ではない。
「ここは安全だから、少し落ち着こう。コーヒーでいい?」
「……はい」
素直にソファで待っていると、小暮さんがコーヒーを運んできて隣に座った。
「飲んで。俺、コーヒーにはこだわりがあって、豆もコーヒーメーカーもそこそこのものをそろえてるんだ。誰かがここに来るたびに自慢してるから、一応椎名にも」
彼は私をリラックスさせようとしているのだろう。
少しおどけた調子で話す。
だから必死に笑顔を作って「ありがとうございます」とお礼を口にした。
「でも、猫舌なんだよなー」と付け足した彼は、カップを口の近くに運び、フーフーと息を吹きかけてからのどに送った。
「うん、今日もいい出来」