オスの家政夫、拾いました。0. プロローグ

そう言って、Ｍｒ．Ｐｉｎｋは契約プランにとそれによる値段が書かれているチャートをテーブルの上に広げた。確かに入居家政婦プランの方が結構、いやとてもお得に設定されている。

いや、ちょっと待て。なにか大事なことを確認せず話が進んでいる。

「あの、すみません。一つ確認させてください。ここのスタッフ皆さん男性ですよね？」

「おや？何か問題でも？」

「もちろんあります！私一応未婚者なので、さすがに彼氏でもない男性とひとつ屋根の下は…」

（正確には、破婚しているけどね。）


まあそこまでいう必要はないだろう。彩響はそのまま口を閉じた。Ｍｒ．Ｐｉｎｋは自分の顎を軽く弄りながら答えた。


「ふむ、それは困ったね…週一回くらいの契約だと、最安値でもこの価格なんだが…」
　
「うっ…」


提示された価格はさっきとは桁違いで、彩響は思わず声を出した。ずっと価格表を見ていると、Ｍｒ．Ｐｉｎｋが助言する。


「そうだね、ルームシェアの同居人が、家事を代わりに引き受けてくれる。そしてその報酬を払う。こう考えれば問題は解決すると思うのだが…確か、ハニーのマンションはまだローンが残っていたはず」