白鳥学園、いきものがかり


真っ暗な部屋。
リビングのドアを開けてたじろいだ。

破壊されたテレビ画面、破れたカーテン、散乱するガラスの破片やプラスチック。


……これ、凪が全部?


ごくりと唾を飲み、凪の部屋へと向かった。玄関から一番遠い奥の部屋。ここが凪の部屋だ。


「………凪…いるの?」


ガタン、部屋の奥から聞こえた物音。
何かを落とす音やかき分ける音が聞こえた後にドアが開いた。


「…………つむぎ、?」


……凪。

凪は慌てた様子で私に抱き着いた。大きな身体に覆われ体制を崩し、後ろの壁にもたれかかった。

隙間から見える凪の部屋は、リビングよりも酷い惨状だった。


私の存在を確認するかのように凪は私の顔を撫でる。
……凄くやつれていた。目の下の隈、ボサボサの髪の毛。


「凪…おじさんが心配してたよ。ご飯も食べてないって。何か食べよう?」


ガサッ、いつも傑達がしてくれるように。食べ物を買ってきた。コンビニの袋に入った凪が食べれそうな物。

………何がいいのか分からなくて、ゼリーとかおにぎりにしちゃった。


凪の前で袋を広げた。


「何がいいかな?」


ジッと見つめた凪。けれど次の瞬間───────、


「きゃっ!!」


袋の中身が散乱した。

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