白鳥学園、いきものがかり
大きな欠伸が出た。
…飲んだばかりなのに。
こんなに早くウトウトするはずないのに。
多分、今日は色んなことがあったから疲れてたんだ。
だからいつもより早く眠気が来たんだ。
「…傑、」
「ん?」
携帯のバイブ音が何度も鳴っている。
これはきっと傑の携帯で、仕事の事。
何でも任せっきり。忙しいって分かっているのに…甘えてばかり。私が邪魔してるから周りに迷惑掛けてしまうんだよね?
私が居なかったら────────、
「余計な事は考えなくていい」
額に唇の感触。
「周りなんてどうでもいい。
俺は紬さえいれば何も要らない。
────────俺は紬が欲しい」
…傑?
ゆっくりと重たい瞼を閉じた。