溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
「ふーん。でも、旦那様が帰ってきたらどうせお熱い夜を過ごすんでしょ?」
「えっ? わ、わかんないよ。彼は出張で疲れてるだろうし」
昨夜は酔っていたから色々と佳代にのろけたものの、朝っぱらからそういう話をされると照れてしまう。
無事に生理も終わっているし、電話で話した維心さんも完全に今夜から子作りを再開するつもりのようだったけれど……なんだか久しぶりだから緊張しちゃうな。
そうは思いつつも、私は維心さんとの再会に備え、いつもより気合の入ったメイクをした。
会社の方向が違う佳代とは駅の改札で別れ、分刻みにやってくる満員電車のひとつに乗り込む。
なんとか体をねじ込んで窓のそばに立ったけれど、いつもと違う風景を楽しむ余裕もなく、身を縮めて会社に向かった。
その日は月曜日の割にはお客さんが多く、自分の仕事の合間に先輩たちからもあれこれ頼まれてバタバタしていた。
維心さんがいつ頃帰ってくるのか気になったけれど、お昼休みの時にはまだ連絡がなく、午後はスマホをチェックしている暇もなかった。