溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~

【木曜日、出張から帰るその足で玄心と会う約束をしている。そこできちんとケジメをつけたら、悠里にもすべてを話したい。きみは俺という人間にがっかりするかもしれないが、俺は黙ったままでいることなんてできない】

 どうやら、別れを告げるメッセージではない。でも、平和な内容とも言えない。

 この文面から察するに、維心さんは、私にがっかりされるようなことをした。その内容を、良心の呵責にでも耐えられなくなったのか、打ち明けようとしている。

 そして、なぜか登場する弟さんの名……。維心さんは、いったいなにを私に話すつもりなの?

 ますます不安感は強くなるが、今すぐに聞いてもきっと答えてくれないのだろう。

 それに私自身も、彼の出張の間にハッキリさせておきたいことがある。話し合いは、それからでも遅くないよね……。

【わかりました。その時は私も、維心さんに話したいことがあります】

 トン、とスマホをタップしてメッセージを送信する。すぐに既読がついたけれど、維心さんからの返事はなかった。

< 175 / 240 >

この作品をシェア

pagetop