溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
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「パパ、ママ。めばえ、ちゃんとできるかな?」
晴れ渡った秋空の下。都内のラグジュアリーホテルの敷地内に建つ大きなチャペルの扉の前で、二歳半になった娘の芽生が、不安そうに私たちを振り返る。
これからフラワーガールをつとめる芽生は、ふわふわの白いドレスに身を包んでいる。
裾こそ短いものの、腰に大きなリボンがついたデザインは私のウエディングドレスとお揃い。
せっかく子どもと一緒に結婚式をするなら、家族のあたたかみが感じられる式にしようと維心さんと相談し、衣装や演出を決めた。
「できるさ。おまじないしてやろうか?」
「うん!」
芽生はうれしそうに頷き、パパにほっぺを突き出す。維心さんは身を屈め、その柔らかい頬にチュッとキスをした。
途端にニコニコして元気を取り戻した芽生は、花籠を持ったままその場をくるくると回る。娘を溺愛している維心さんとパパっ子である芽生の、見慣れたコミュニケーションである。
けれど、今日は一生に一度の結婚式だ。誓いのキスの前に、娘とはいえ私以外にキスするなんて……たとえ唇が触れたのが頬でも、ちょっと拗ねたくなる。