溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~

「俺も早く覚えたい。きみの唇の形や温度や感触、唾液の味までも、余すところなく」
「維心さ……んっ」

 彼の官能的な言葉にドキン、と胸が鳴った瞬間、さっきよりも凶暴なキスで唇を塞がれた。

 強く押し付けられた唇の隙間から舌が割って入り、淫らな音を立てながら、私の口内を探る。

 その動きは彼の宣言通り、私の歯や舌や上顎や、頬の内側、あらゆる場所のデータを取っているかのように丁寧。

 私が体を震わせたり、鼻に掛かった声を漏らしたところは、より執拗に探索された。

「なるほど、ここだな」

 維心さんは熱い吐息をこぼしながらもまだ余裕があって、楽しげに冒険的なキスを続けているが、こちらはもう涙目だ。

「らめ……れす。もう、離し、て」

 蕩けるような快感で、口元がおぼつかない。おまけに腰も砕けそうなので、彼の腕につかまって、必死に懇願する。

「ダメだ。今度のキスは軽くないと言っただろう」
「で、でも」
「頼むが耐えてくれ。今後の妊活を円滑に進めるためにも、きみの弱点はより多く知っておきたい。今のところ、口の中にも多数の性感帯があるようだからな」
「せっ……」

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