溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
性感帯って……そんなこと考えながらキスしてたんですか!?
たちまち全身がかぁっと熱くなり、羞恥で居たたまれなくなる。
おかげで『子作り』と同じく私の心を打ちのめす『妊活』というワードが飛び出したにもかかわらず、ショックを受けている暇もなかった。
「ほら、悠里。お喋りはおしまいだ。……目を閉じて」
お願いだから、早く解放して欲しい。そう強く願っているはずなのに、目を閉じて、また維心さんの唇が触れると、懲りずに胸は熱くなって、彼が好きだと思い知らされる。
彼にとっては、妊活に向けての手順を踏んでいるだけにすぎないのに……私、すごく痛い女だ。そう自分を客観視したところで、この状況から抜け出せる気は全くしない。
こんなにぐずぐずでみっともない恋心、維心さんにだけは、知られたくない。
子どもを産ませるためだけに選んだ相手に本気で想いを寄せられたって、迷惑なだけだもの。
繰り返される濃厚なキスを受け止めながらも、胸は切ない思いでいっぱいだった。