溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
「お、お褒めにあずかり、恐縮です」
「あ、ああ……とりあえず、座ってくれ。今、料理を並べるから」
お互いぎこちない言葉を返しつつ、夕食の準備をする。
なにもしなくていいと言われたけれど配膳だけは無理やり協力させてもらい、準備が整ったところで、四人掛けのダイニングセットで向かい合った。
テーブルに並んでいるのは、鰻ととろろの丼。レバニラ炒め。ニンニク丸ごとのホイル焼き。たっぷりのナッツをのせたサラダ。
「わぁ、美味しそ、う……」
豪華なメニューに一瞬感激しかけたけれど、よくよく見ると使われている食材にはなんとなく共通点がある気がして、私は思わず口ごもった。
嫌な予感。私の考えすぎか、気のせいかもしれない。でも、ここに並んだ料理って全部――。
「初日から少し気合を入れすぎたかもしれないが、今夜はすべて精のつく料理にしてみた。ぜひ、たくさん食べてくれ」
維心さんは満面の笑みで、自信たっぷりに料理を勧めた。