溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~

「な、なるほどぉ……。ありがとうございます。いただきます」

 気のせいどころか、隠す気ゼロだった……。維心さんって本当に、妊活一直線だな。

 今夜からさっそく子作りするつもりなら、たとえ精のつく食材であっても、ニンニクのホイル焼きは間違ったチョイスだと思うけれど。

 ぶつぶつ胸の内で呟きながらも、やけくそでニンニクを口に放り込む。

 ホクホクした食感が噛んだらトロっととろけて、鼻から思い切りニンニクの強い香りが抜けた。

「お、美味しい」
「口に合ってよかった。だがニンニクだけを立て続けに食べると胃腸に負担がかかる。他の料理とバランスよく食べてくれ」

 俺に抱かれるために精力をつけろ、と言わんばかりの料理を作っておいて、胃腸のことは心配してくれるんですね。彼のちぐはぐな優しさが、うれしいような悲しいような。

「はい、了解です。……あ、レバニラも最高」
「なかなかいいものだな。自分の作った料理を誰かに食べてもらうというのは」

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