溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
「あのっ」
急にパッと挙手した私に、三人が注目する。私は恐縮しながらも、彼らと一度ずつ目を合わせて尋ねる。
「み、皆さんの個人的な見解を伺いたいのですが……そのオーナーさんの言うように、男性というのは、その女性に好意がなくても、そういった行為に及べるものなのでしょうか」
内容が内容なので、言葉尻は段々小声になった。男性陣は一様に黙り込み、真剣に悩み始める。
「俺は無理」
一番先に答えを出したのは、元木くんだった。私と目が合うと、少し照れくさそうに目を伏せ、説明を加える。
「だって、そもそも愛を確かめ合う行為だろ? 気持ちのない相手とそういう展開になる理由がまずわからないし」
だよね。だよね。元木くんの意見が世の男性の代表ならいいのにと思うくらいの誠実な回答に、思わず好感を持つ。
「いや~、でも、結局人間も動物だからな。それなりに綺麗な人が服脱いで迫ってきたら、俺は本能に抗える自信ないね」
「本能……」
梶原さんの意見は一見ひどいもののようだけれど、だからこそ男としての本音なのだろう。
自分が〝それなりに綺麗〟かどうかはさておき、服さえ脱いでしまえば、男の人の本能は刺激できるわけだ。
維心さんも、裸の女性なら誰でも抱けるのかな……。