無気力な幼馴染みの甘い溺愛が止まらない!
懇願するように俺を見つめ、俺の言葉を待ってる由妃は可愛いとしか思えない。
そんな場違いなことを思いながら口を開く。
「いいよ。そんな可愛いわがままなら、いくらでも聞くから」
そもそも、わがままにすらならない。
由妃は普段から迷惑かけたくないとかそんな思いで何かを欲したことがないから、これくらいのことでわがままだと思ってるんだろう。
俺からすれば、もっとわがままを言ってほしいと思うけど。
「うわっ、マジで甘すぎる!」
「由妃ちゃんにはほんと甘いね」
「見てられないな」
そんな黎達の言葉は聞こえないふりをした。
「てか、聖一とじゃなくて俺と行こうよ!」
「由妃ちゃん、僕と行かない?」
「俺と行っても、案外楽しいかもしれないぞ?」
急に積極的に由妃を誘い出した。
結構軽い口調で言ってるけど、それが本気なのは分かる。
やっぱり由妃のことが好きなんだな……