無気力な幼馴染みの甘い溺愛が止まらない!
黎が誘うのは意外だけど、それは由妃のことが好きだからだろう。
「えっと……」
「ダメ。俺が無理」
ぎゅっと由妃に抱きつくと、少し困ったような恥ずかしそうな顔をされた。
そんな由妃にドキッとしながら黎達を見る。
この時ばかりは少し悔しそうな顔をしていた。
「俺を先に誘ってくれたし、俺と行こう?由妃」
「あ、うん。すみません、先輩方。その、聖君と行きたいので」
由妃の性格を知らなかったら、期待してしまいそうな言葉。
でも、由妃のことだから深い意味はない。
「由妃、じゃあ行こう」
「うん」
「黎、鍵とかよろしく。報告はしとくから」
「……あぁ、分かった」
黎に声をかけてから、生徒会室を後にした。
「報告ってことはまず職員室に寄るの?」
「うん。どっちにしろ、職員室には行かないといけないし。先生に言って外出届を出さないと、今から向かうカフェにも行けないから。報告はついで」
「あ、そういえばそうだったね」