無気力な幼馴染みの甘い溺愛が止まらない!
「由妃、ちゃんと挨拶して」
「う、うん。えっと、私は隣に引っ越してきた白嶺由妃です。よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げた由妃を見て、ハッと我に返る。
ドキドキしている心臓の辺りを抑え、由妃を見つめた。
今まで抱いたことのない感情に戸惑ってしまう。
「皇さんの息子さんは名前は何というんですか?」
「この子は聖一といいます」
「聖一君ですか。良い名前ですね」
母さんにしては普通に会話していて、どこか楽しそうな様子。
母さん同士が仲良く喋ってるから、必然的に由妃と話すことになった。
「聖一君っていうの?」
鈴のように澄んでいる声。
声までも綺麗だ。
「うん。君は由妃だよね?」
「そうだよ。仲良くしようね」
にっこりと笑った顔に胸がドキッと高鳴る。
きっとこの瞬間に落ちてしまったんだろう。
由妃達が帰った後、母さんはご機嫌だった。
もちろん俺も。
それから、俺と由妃は着々と仲良くなっていった。
「ねぇ、聖一君のこと聖君って呼んでいい?」
「もちろん。由妃ならいいよ」
由妃以外の奴から聖君と呼ばれたくない。
由妃だけが呼んでくれればいい。