とろけるような、キスをして。
「深山先生も美也子も私に一言も相談無く勝手に付き合ってるからびっくりしたんですよ」
晴美姉ちゃんが千代田さんにいじけたように愚痴る。
もはや"野々村さん"呼びはどこかへ飛んでいったのか。普通に"美也子"呼びだ。ケジメはどこにいった。崩れるのが早すぎやしないか。
千代田さんは楽しそうに
「野々村さん取られて寂しいって感じですね」
とケラケラ笑っていた。
別に内緒にするつもりはないけれど、一応ここは教育の場だ。自ら公にするつもりは一切無いし、バレなきゃバレない方が楽だ。
学校自体が男女交際を禁止しているわけではないけれど、さすがに教師の恋愛なんて生々しくて生徒は聞きたくないだろうし。
まぁ、修斗さんは昔から生徒に人気だから、私の存在を知った時に生徒たちの反感をくらうのも予想できてしまう。
「やっぱり学校で一緒にいるのはマズい気がしますよ、深山先生」
こっそりと言うと、修斗さんは困ったように頭を掻いた。
「んー……、でも弁当は食べたい。どうせ帰りは一緒にならないんだし、朝くらいは良くない?ダメ?昼は冬休み明けたら我慢して一人で食うからさぁ」
「……まぁ、それくらいなら」
大概、私も修斗さんに甘くなっているような気がする。
午後の仕事も千代田さんにいただいたマニュアルを見つつ、わからないところは聞きつつ。
新学期が始まるまでに、できるだけたくさんの業務を覚えておきたいところだ。