とろけるような、キスをして。
*****
「おはよーございまーす」
明るい生徒たちの声に
「おはようございます」
と笑顔を返す月曜日の朝。
必死に仕事を覚えているうちにあっという間に新学期になり、寒さに震えながら出勤する日々。
修斗さんとはお互い忙しくて最近あまり会えておらず、学校では移動中にたまに見かけるくらいだ。
修斗さんの方が出勤時間が早いため、私の家にお弁当を取りに来てから学校に向かっている。
その時に毎朝優しくキスしてくれるのが嬉しい。
離れた後の名残惜しそうな目も、愛おしいもの。
プレゼントしたマフラーは毎日付けてくれていて、嬉しそうに顔を埋めて出勤している。
職場が同じとは言え、実際に働くのは私は事務室だし、修斗さんは職員室かそれぞれの教室だから意外と会うことは少ない。
その代わりか、できるだけ休みの日は一緒にいたいと修斗さんが時間を作ってくれるため、金曜と土曜はお互いの家に泊まったりもしている。
昨日も修斗さんの家にお邪魔しており、作り置きのおかずをたくさん置いてきた。
修斗さんは目を輝かせて、"大事にちょっとずつ食べる"なんて言うから、"お願いだから腐る前に食べてくれ"と懇願してきたところだ。
昨日の夜に帰ってきて、今朝修斗さんにお弁当を渡して。
私も今から仕事だ。
母校で働くって、一体どんな感じなんだろうと思っていた数ヶ月前。
実際に働いてみると、母校だけれど、なんだか違う場所に来ているかのように感じる。
旧校舎の図書室だって、あの頃とは本棚の配置も変わってしまった。
ここは現在通っている学生たちの学び舎であり、もう私は過去の人間だ。
そんなどこかセンチメンタルな気持ちを抱えながら事務室に入ると、今日も爽やかに千代田さんが挨拶してくれる。