とろけるような、キスをして。



「……確かDVDはこの奥に……あ、あった」



 年度ごとに各行事のDVDが並べられている。


体育祭に文化祭。後夜祭で行う花火大会の映像まで収録されているようだ。


一年生の宿泊研修に二年生の修学旅行。短期留学の映像まである。


 今年度のものを左手に重ねるように持ち、他の棚も見渡す。



「……七年前……七年前……あ、これだ」



 私が通っていた頃の年度のものもあった。


文化祭や体育祭など、同じようなラベルが貼ってある。


手に取って意味も無く裏返す。ディスクの反射が目に眩しいだけだ。


 それを元に戻そうと手を伸ばすと、



「あれ?みゃーこ?」



 修斗さんの声が聞こえて、パッとドアの方を向いた。



「しゅ……深山先生」



 思わず修斗さんと呼びそうになり、慌てて呼び直す。



「今俺以外誰もいないし、修斗でいいよ」



 そう言われてしまうと、頷くしかない。


修斗さんは二人きりだからか、そもそも私を"野々村さん"と呼ぶつもりは無さそうだ。



「……うん。どうしたの?こんな時間にこんなところで」


「それはこっちの台詞。なんか電気付いてるから誰かいるのかなって思って見に来たんだけど。どうかした?もう定時過ぎただろ」



 部活動は終わったのだろうか。いつものスーツ姿でドアにもたれかかるように立っている姿はとても様になっていてかっこいい。


まさかこんな時間にここで会うなんて思っていなかったから、驚いてしまった。


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