とろけるような、キスをして。



「おいおい、大丈夫か?そんな遅くに外出歩いて」


「うん。二十二時って言ったって人通り多いし、大丈夫だと思うけど……」


「いーや、心配だ。電車乗ってる間はいいけどさ、降りて歩いてる時間があるなら俺は心配だ」


「そんなこと言ったってもう飛行機は変えられないし。大丈夫だよ」


「……」



 東京でのアパートの最寄駅は、そこそこ大きな駅で。アパートまでは徒歩十分の距離だ。


街灯もあるし、近くに二十四時間営業のコンビニもあるし遅くまでやっている薬局もある。人通りもある道だから、大丈夫なのに。


 それでも先生は納得してくれなくて、最寄駅に着いたら先生に電話することになった。



「いい?ちゃんと電話しろよ」


「わかったよ」



 お父さんのように私を心配してくれる先生にどこかむず痒い気持ちを感じながらも、嬉しいものは嬉しい。


歳の差で言えば兄弟の方が近いだろうか。



「さて。じゃあ次はどこに行く?」


「どこって言われても。もうあんまり時間無いよ?」



 この街から空港までは車で一時間ほどかかる。


 現在午後二時。一応会社にお土産を買わないといけないし、飛行機は十九時発。チェックインする時間も含めたらできれば十七時くらいには空港にいたい。


となると十六時にはもう出ないといけない。



「うーん、みゃーこはどこか行きたいところある?」


「行きたいところ?……どこでもいいの?」


「うん」


「……じゃあ───」



 私たちは席を立ってお店を出て、また車に乗り込んだ。



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